アイコム 5Gに対応したゲートウェイの販売を開始
無線通信機器大手のアイコム(大阪市平野区、中岡洋詞社長)はこのほど、高速通信規格「5G」に対応するゲートウェイ「IP50G」を開発し、販売を開始した。同社が5G対応機器を開発するのは本件が初。価格はオープンだが、ハードウェア単体の市場想定価格は約30万円。
「IP50G」は異なるネットワーク間をつなぐ機器として映像・音声・センサー機器など、様々な通信機器を5Gの通信網につなぐ。携帯キャリアの5Gを活用するため、大掛かりな工事の必要がなく、手軽に工場を5G環境にできるのが大きな特徴。同社では中小企業の工場向けに開発を進めてきた。
5Gのほか、Wi―Fi6準拠の無線LAN機能や有線LANポート、USB、RS―485などのインタフェースも搭載している。また、本機はユーザーがソフトウェア開発キット(SDK)を利用し、ニーズに合わせて開発・設計したアプリケーションをインストールすることで動作する。そのため機能を柔軟に構築することが可能。
同社はKDDIと携帯キャリアの5Gを活用した自社工場の「スマートファクトリー」化に取り組み、検証実験を行っている。実験ではKDDIの5G基地局を同社製造子会社の和歌山アイコムの工場付近に設置し実施している。テストでは、向上作業員の動作をパソコンのウェブカメラで撮影しながら、そのデータをIP50G経由で本社に送り、AIでの解析後、より効率的な製品作りに活かせないかかテストしている。アイコムでは、「今後も大量のデータを低遅延かつ高速に多数の端末とやり取りできる5Gの特長を、工場での製品作りにどのように活かせるか、IP50Gを使い検証していきます」とコメントしている。