NECが研究開発・新規事業創出戦略説明会
NECは、2023年12月15日にNEC玉川ルネッサンスシティ(川崎市)で、研究開発と新規事業創出における戦略説明とその最新技術のデモ展示を紹介する「NEC Innovation Day 2023」を開催した。説明会では、NEC執行役Corporate EVP兼CTOの西原基夫氏、同執行役Corporate EVP兼CDOの吉崎敏文氏が研究開発・新規事業創出戦略プレゼンテーションを行った。続いてデモンストレーション展示に移って、最新の生成AIや生体認証技術などの説明およびデモンストレーションが行われた。
◇顔画像の分析でバイタルの状態を推定:顔をカメラに映すだけでバイタルの状態を推定し、健康維持のための行動変容に貢献する。高齢者社会や健康経営のための健康データプラットフォームを実現する。具体的には、ウェアラブルデバイス不要、スマートフォンだけで気軽に健康管理を行う。スマートフォンのカメラを使った簡単操作で状態を理解し、継続利用で変化を早期に把握する。スマートフォンのインカメラで10秒程度顔を映すだけ。顔から特徴量を抽出。バイタルの状態(同システムは研究開発中。医療機器ではないため、診療行為には使用できない)を推定する。脈拍数の推定や酸素飽和度の推定、呼吸数の推定を行う。
これらが習慣化することで、日常的な健康観察が可能になる。情報は家族などと共有し、日々の健康をモニタリング。異常時にはアラート通知で迅速なケアが行える。
今後、高齢者見守りや運転時の安全性向上サポート、従業員のウェルビーイング等へ活用。状態に応じたパーソナライズサービスの実現を目指す。
NECの『健康データプラットフォーム』は、顔画像を中心とした生体情報から人の状態を理解する。環境・周辺サービスパートナーと連携し、シーンに合わせた健康維持を実現することという。
◇どこでもゲートレス生体認証:NECの生体認証は、多様なシーンに最適なバイオメトリクスを提供している。高い精度と幅広いラインアップで世界約70の国と地域へ導入。それぞれの認証の長所を活かしながら最適なサービスを提供している。『どこでもゲートレス生体認証』は、多人数をリアルタイムに認証し、ゲート無しでスムーズな入場を実現する。ポータブル化でイベント会場等でのレイアウト変更にも柔軟に対応する。
エッジ端末での処理の軽量化によって、現場にサーバーを設置せずに多人数をリアルタイムに認証。カメラ設置の制約下でも、複数方向から人物を捉えることで、ゲートと同等レベルの認証精度を実現する。エッジ端末はポータブルなので移動も簡単。死角に入っても別のカメラで認証する。1分あたり100人を認証。ストレスフリーでフレキシブルだ。多人数同時認証で混雑緩和につながる。イベント会場や建設現場などレイアウトが日々変わる場所でも運用しやすい。
今後は、デジタルIDのさらなる普及に向け、空港・鉄道施設や屋外イベントなど、多彩なシーンでストレスフリーなバイオメトリクスを提供するとしている。
写真は 『健康データプラットフォーム』
全文は1月1日付1面に掲載
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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