日本ケーブルラボが記者説明会

一般社団法人日本ケーブルラボ(東京都中央区、理事長・田﨑健治福井ケーブルテレビ取締役相談役)は、4月23日にラボの会議室で宇佐見正士専務理事、坂中靖志理事が2024年度第1回記者説明会を開いて、24年度事業計画などを発表した。
宇佐見専務理事はラボ24年度事業計画で「日本ケーブルラボでは〝ケーブルテレビの再発明を目指して〟これまでのケーブルテレビの常識の延長ではなく、新しいサービスとして生まれ変わろうという話をさせていただいている。日本ケーブルラボはオールIP(放送のIP化、テレビサービス高度化)を中心に周囲に有線(棟内配線、インフラシェア)、無線(NTN、Wi―Fi、60GHzFWA)、サービス品質(サプライチェーンセキュリティ、ネットワーク分析、運用効率化展開)、新サービス(無線活用BtoBビジネスモデル)を置いて、この5つの重点分野として定義し、ケーブル事業に必要な様々な技術に関する調査研究を進めている。IPといっても皆、足並みを揃えているわけではないので、課題要素を拾っていこうとしている。〝ケーブルテレビの再発明〟というキーワードを出してただ5つの分野だけを行っていれば良いというわけではなく、サービス視点で一から考えてみようということである。ケーブルテレビが進化して多様化していく中で、ケーブルテレビ事業者ならではのサービスをしっかり創りだしていくことが大事だ。何に注力していくかであり、最新技術と既存技術を上手に組み合わせて、『未来の選択肢』を示していく」と述べた。
次に15の24年度実施項目を発表した。実施案件と5つの重点分野に区分すると次の通りになる。『オールIP』では▽放送のIP化に関わるガイドラインの作成▽近未来ルームの環境整備―サービス技術―、―インフラ技術―、『有線』は▽アクセス回線におけるインフラシェアの検討▽集合住宅における棟内配線方式のガイドライン▽PON相互接続仕様改定の検討、『無線』▽低軌道衛星によるネットサービス評価▽IP放送提供に向けた屋外ワイヤレスアクセスの実証評価▽Wi―Fi7によるワイヤレスサービスの高度化、『サービス品質』は▽ネットワーク分析に関する動向調査▽監視業務自動化の実証成果の展開▽サプライチェーンセキュリティリスク対策に関わる技術調査、『新サービス』は▽ケーブルDLNA運用仕様改定の検討▽BS右旋帯域再編の検証▽生成AIの活用法の検討▽無線を活用した中小企業向けBtoBビジネスモデルの検討―となっている。

(全文は5月17日付け4面に掲載)

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。