
Media over IPコンソーシアム設立
3月7日、「Media over IPコンソーシアム」設立総会がJEITA会議室で開催された
主催者を代表して電子情報技術産業協会(JEITA) 代表理事/専務理事の長尾尚人氏は、「昨年11月にInter BEE 2024において発表して以来、奔走してコンソーシアムの設立総会が迎えられたこと、そこまでにご尽力いただいた皆様へ感謝と敬意を表するところでございます。
今回設立させていただきますMedia over IPコンソーシアムにつきましても、放送業界のコンテンツ制作環境におけるDXがテーマとして、ある意味でSoftwareDefinedコンテンツプロダクションを目指す重要な試みだと思っております。
放送システムのIP化によってシステム間がネットワークで接続されることで、物理的時間的な制約がなくなり、業務の効率化や制作コンテンツの強化の達成が期待されております。こういったものを実現するためには、ユーザーとベンダー、一方だけの取り組みでは不十分であります。放送事業者、放送機器メーカー、SIer、ITベンダー、通信キャリアなど多様なステークホルダーの方々が協力して、それぞれの知識や課題を共有しながら解決策を見いだしていくことが不可欠になります。MoIPコンソーシアムが我々の業界における革新と発展の一翼を担う存在として、本日はその記念すべき1日目になることを願いまして、私のご挨拶とさせていただきます」と挨拶した。
設立総会では会長と副会長の選任が行われた。
会長に選任されたTBSホールディングス CTOの奥田晋氏は、「私が所属します放送業界ですが、キーテクノロジーはネットワーク技術に親和性があるIP、すなわちMoIPであることは明らかです。ただこのMoIPについては、今まで私達の放送局のエンジニアが築き上げてきたアナログもしくはデジタルのIP技術とはまた違ったテクノロジーだというふうに理解しています。
このため、放送が必要としている、高い信頼性ですとか、可用性をMoIPを使って実現させていくためには、今までと違った異なったいろいろなノウハウですとか、技術基準などを超えていかなければいけないハードルがいくつか存在するというふうにも思っています。
今このようにご説明した内容は、放送局だけ、もしくはメーカーさんだけ、SIerさんだけ、通信業者さんだけで実現するというものではなくて、日本の映像業界全体で取り組んで進めていかなければいけない大きな課題だと思っています。
日本のコンテンツ産業を大きく発展させて素晴らしいコンテンツを作り上げていって、それを日本国内だけじゃなく、海外にも流通させていく、そんなようなコンソーシアムに、このたくさんのメンバーと一緒に作り上げることができればと思っています。そのために微力ながら全力で取り組ませていただきます」と語った。
続いて副会長に選任されたソニーマーケティング B2Bビジネス部 統括部長の小貝肇氏は、「このコンソーシアムはキーワードがいくつかあるかと思います。一つはメディアのIT化というところでST2110に代表される標準プロトコルをいかに活用していくか。このメディアをIT化というのはあくまでも手段であって、やはりこのMoIPを使っていかにデジタルトランスフォーメーション、DXを実現するのか。このDXによってコンテンツ制作の高度化を実現するというところが、最終的な本コンソーシアムの目的だと思っております。
その目的を実現するためにどのようにやっていくのか。奥田会長の方からもありましたが、様々な方々がご参加いただいております。当初の想定は放送局、放送機器ベンダー、ネットワークベンダーですが、それ以外の業種の方にも、今回ご参画いただいているというところで、非常に幅広い知識、ノウハウを持った皆さんが集まっています。
先ほど申し上げたいわゆるコンテンツ制作の最終的には高度化、生み出したコンテンツを海外に打って出ていけるようにしたい。数多くここから生まれていくというようなところに資する活動というところを、皆さんと進めていければと考えておりますので、微力ながら副会長を務めさせていただきたいと思います」と述べた。

JEITA 長尾代表理事/専務理事

小貝副会長
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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