横浜オープンイノベーションEXPO、ユカイ工学のコミュニケーションロボット

「横浜オープンイノベーションEXPO2023」(主催・オープンイノベーションEXPO実行委員会、株式会社すけっと内)が11月8日(水)、9日(木)にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された。後援は横浜市経済局、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会。同時開催は「サービスロボット展」「産業用ロボット展」「次世代モビリティ展」。
同展は、オープンイノベーション促進及び、事業化されなかった技術の転用の促進を図るための展示会。
グローバル化やIT化、労働環境の変化やライフスタイルの多様化など様々な要因が大きく変化し製品やサービスのライフサイクルは年々短くなってきている。そんな環境の中、研究開発に使える予算を増やすことは非常に困難だ。こうした環境の中だからこそ新たな商品・サービスを効率よくすばやく生み出す必要性が年々高まってきている。従来通りの自社内での経営資源や研究開発のみのクローズドイノベーションではすでに限界をむかえている。今後は世界中に広がるリソースを活用したオープンイノベーションを実施する必要があり、このオープンイノベーションを積極的に実施していくための問題解決の場として同展を催したもの。なお、次回開催は12月5日(木)、12月6日(金)にパシフィコ横浜にて開かれる。

ユカイ工学(東京都新宿区、青木俊介代表)は、音声対話でシニアの健康習慣をサポートするコミュニケーションロボット「BOCCO emo」(ボッコ・エモ)などの新サービスを展示紹介した。具体的には、「BOCCO emo」の音声による発話機能とデジタルサイネージの連携による無人店舗受付・アンケート支援の仕組みをデモンストレーション展示した。店舗の来店客をを「BOCCO emo」が出迎え、商品等のおすすめポイントを紹介するほか、対話による問い合わせ対応や外付けボタンによるアンケート取得まで対応する。
「BOCCO emo」は、ChatGPTを活用して「おはよう」や「おやすみ」に楽しく挨拶を返してくれるほか、日々の習慣化が難しい健康管理を音声対話でサポートしてくれる。例えば、散歩の時間になると、BOCCO emoがリマインドの声掛けをし、帰宅すると褒めてくれるので、毎日の散歩が楽しくなる。体重や血圧などの測定値を音声で記録する機能のデモ展示も行った。
同社は、コミュニケーションロボット「BOCCO emo LTEレンタルモデル」の提供を開始したと報道発表した。これまで要望の多かった「Wi―Fi環境が無い両親の家で使いたい」「初期費用の負担を抑えたい」という顧客の声をもとに、BOCCO emoにLTE通信機能を搭載したモデルをレンタルで提供している。これにより、インターネット環境のない家庭でも気軽に見守りを始めることができる。

写真はユカイ工学のブース

(全文は11月20日付け4面に掲載)

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。