JCBA 佐藤代表理事に聞く コミュニティ放送2019年の展望

 年々増え続けているコミュニティ放送局は、現在328局に達している。毎年のように起こる大規模な自然災害時において、コミュニティ放送は貴重な情報を伝達するメディアとして注目を集めている。また、防災、減災・災害時だけでなく、地域・地区の活性化を担う地域密着メディアとして欠かせない存在となっている。一般社団法人日本コミュニティ放送協会(JCBA、東京都港区)は、総務省・関係機関が認める唯一の団体で、コミュニティ放送事業者の相互啓発と協議により放送倫理の向上を図るとともに、コミュニティ放送事業者の共通問題の解決を推進することにより、コミュニティ放送の健全な発達・普及を促進することなどを目的としている。今回、新たにJCBA 代表理事に就任した佐藤太紀氏(エフエムもえる 代表取締役)に、コミュニティ放送局の現状や今後の抱負などについて聞いた。◇ ――新代表理事に就任されましたが、いつごろ打診されましたか 佐藤 JCBAでは副代表理事を4年間務めました。一番最初にお話を頂いたのは昨年ですが、その時は冗談だと思っていました。JCBAやコミュニティ放送には素晴らしい方々がいっぱいいらっしゃり、規模が大きい局もあります。うち(エフエムもえる)みたいな小さなところにと思っていました。今年に入って、前代表理事の冨永さんに正式に「次を頼む」と言って頂きました。何故僕なんだろうと思い、色々な方に聞いたのですが、「次はあんただね」と言って頂きました。本人にはよくわからないのですが、ありがたい話ということで受けることにしました。何故僕だったのかなと、いまだにピンとしていません。しかし、さすがに(冨永氏に)何故僕なんですかとは聞きづらいので、聞いていません(笑)。 あえて言うなら、エフエムもえるは16~17年前からずっと我々は街作り会社であるという思いを持っています。地域情報のプロ集団であり、その一つの手段としてラジオを使うというスタンスでやってきました。その意味では、ここ数年、冨永前会長が常々おっしゃっていた「街作り団体」に合致するのかなと。これからの地域の在り方、地方創成の流れで言いますと、地域の主体性をしっかり謳い、その要としてのコミュニティ放送局というふうにたどっていくと、「おまえのところは小さいけど、そうだな」というふうに見ていただいたのかなと、勝手に解釈しています。地域の人が「自分事」として、街作りに参加できるプラットフォームとしてコミュニティ放送を行ない、それをうまく継続している。それも、会社かボランティアかという考え方ではなく、ボランティアベースでありながら、会社がしっかりバックアップしてバランスを取りながらハンドリングしている点に加え、放送法からは絶対に外れないようにしていることなどが評価のかなとも思っています。(全文は7月29日号に掲載)