ケーブル技術ショー2021 マスプロ電工

マスプロ電工は、ケーブルテレビの高付加価値化と、地域密着サービスとして、地域の安心・安全に貢献する製品を提案していた。 出展内容は次の通り。▽遠隔からテレビ受信状態を監視する『TV信号モニタリングシステム』(参考出品)▽加入者、地域向けのIoTサービスを構築できる『LPWA LoRaWANソリューション』▽広帯域伝送と簡単施工を両立する『VPOF(プラスチック光ファイバー)システム』▽新4K8K衛星放送を効率よく伝送できる『棟内光 伝送システム』▽システムに合わせ必要な機能を選択できる『光受信機(V―ONU)』▽災害時の緊急情報を伝える『ケーブルラジオシステム』。  現地でのテレビ信号の確認作業が不要となり、保守管理業務を省力化につながる『TV信号モニタリングシステム』(参考出品)では、遠く離れた集合住宅やビルなどのテレビ信号を自動測定、可視化できるテレビモニタリングシステムを展示した。棟内施設用テレビ受信設備向けTV信号モニタリング装置などで構成。 『TV信号モニタリングシステム』は、テレビ信号のレベルや、MER・BERなどを測定するモニタリング装置がクラウドサーバーにデータを定期的に送信。サーバーに蓄積された測定データはインターネットを介して確認でき、また異変時にはメール通知されるシステム。 測定したテレビ信号の測定データを集約・蓄積・一覧表示し、一元管理できる。しきい値を設定することで、レベル低下や信号品質の劣化が生じたときに、メールで通知するため、従来テレビ映像が見られなくなった視聴者からの連絡で対応していた受信障害事案が、すばやく復旧に向けた対応が行なえる。技術展示会では、受信障害を疑似的に発生させた実演展示を行った。 「従来は、集合住宅や共用部の住民から管理組合に電話で、テレビが今、映っていないんだけど―と連絡がかかってきたが、新システムは、TV信号モニタリング装置がテレビ受信施設の電波を測定しており、ブロックアウトになった際に異常を知らせる。特に白熱したスポーツ番組を観ていて画面が急に映らなくなったりすると大変。異常通知ですぐに駆けつけ、初動対応も早い」(マスプロ電工)。    ◇ マスプロ電工は、ケーブルテレビ事業者が加入者や地域に向けたIoTサービスを提供できるCATV事業者向け「LoRaWAN」ソリューションを紹介した。室内の空気環境を見える化したいニーズにあわせて『CO2空気モニタリングシステム』を提案した。「LoRaWAN」ネットワークで、環境計測からデータの収集・活用・可視化まで可能にする。「LoRaWAN」はLPWAの通信方式のひとつでLPWAの特長である長距離通信、低消費電力に加え、利用者が「LoRaWAN」ゲートウェイを設置することにより自営の無線ネットワークを構築できる。「LoRaWAN」システムを利用すると、センサー端末で読取ったデータを低コストで伝送・集約し、離れた場所から確認でき、3密対策や見守り、防災、農業など様々な分野で、データの可視化を実現できる。技術展示会では、実際に会場内のCO2濃度・温度・湿度を測定し、表示端末やパソコンに表示する実演展示を行った。 「CO2濃度、濃度、温度、湿を一定間隔で測定するCO2温湿度センサー端末『LRCTHA』とLoRaWANゲートウェイ、そのデータを見るためのクラウドなどで構成。クラウドではデータ閲覧サービスで結果を確認できる。表示灯は測定値に合わせて色が変化する。このシステムはケーブルテレビの事業者が自分たちのケーブルテレビ網を使って行えるようになっている。既存のものを活かしながら最新の空気環境の見える化が実現する。このほか、屋外用の温湿度センサーや水位センサーと組み合わせることもできる。システムを構築するためのエリア工事などのサービスも手がけている。また、CO2センサー端末は通信方式を選ばずに例えばSigfoxも可能だ」(同)。