「SECURITY SHOW 2022」レポート

映像監視や入退管理を中心に街や社会の「安全・安心」を実現する製品・サービスが一堂に会する日本最大級の展示会「第30回セキュリティ・安全管理総合展」(SECURITY SHOW 2022、日本経済新聞社主催)が3月1日(火)から4日(金)までの4日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた。来場者数は、同時開催の「リテールテックJAPAN2022」との合算で、4日間合計5万29人だった。セキュリティ機器やサービスを提供する代表的な企業が出展。防犯カメラやサイバーセキュリティ、防災関連など社会やビジネスの安全・安心を守る製品が紹介された。次回は2023年2月28日(火)~3月3日(金)に開催する予定。    ◇ マスプロ電工は、「SECURITY SHOW 2022」に出展し、セキュリティー機器コーナー、360度見守りカメラコーナーなどで最新製品を展示紹介した。 セキュリティー機器コーナーでは、市場で大好評のセンサーライトを搭載したモニター&ワイヤレスHDカメラセットと新しいセンサーライト(参考出品)を展示した。会場では、疑似的に暗闇を作り、各種センサーライトの明るさや、光の広がり方を体感してもらった。また、モニター&ワイヤレスHDカメラセットは、カメラとモニターを直接接続できる配線キット(参考出品)を展示した。 暗視もできるセンサーライト付きカメラは、カメラと連動するセンサーライト機能が特長。カメラとモニターで通話可能。モニター・カメラともにマイク・スピーカーを搭載。カメラのスピーカーを通じて通話ができる。警告音機能で、人の動きを検知するとカメラのスピーカーから警告音を発報できる。モニター操作でも発報できる。 360度見守りカメラコーナーでは、プライバシーに配慮した画像処理ができる、360度見守りカメラ(参考出品)を展示した。AIで画像を解析することで、個人特定ができないよう人を画像から消して座標画像のみを表示することが可能だ。 具体的には、個人特定をできなくする『座標画像モード』を搭載。プライバシー管理が必要な環境で活躍が期待できる。 主な特長は次の通り。▽3モードのライブ映像=上下方向に分割して表示させる表示モード(セグメント型画像)。通常の画像モードも、360度撮影映像で、監視場所全体を的確に把握できる。通常モード+座標表示モードは、通常の画像モードに座標を加えて、人の動き(動きのあるもの)を座標でも確認できるモード。座標表示モードは、動きのあるものを画像から消去させ、座標のみの画像表示となるモード。 ▽360度全方向撮影=360度半球レンズを搭載しているので、全体の状況を把握しやすく、死角のない身守りができる。ドーム型、セグメント型2種類の映像を同時保存できる。 ▽SOSボタン搭載=SOSボタンを押すと、通常モード表示に変わり、SOSマークの付いた前後10秒(計20秒)の動画を、自動で録画する。 ▽リモコンから操作=電源、モード切替え、SOSボタンなどの操作を、有線、無線(Bluetooth)式のリモコンから行える。 ▽暗視撮影モード=赤外線LEDを6個搭載しているため、まわりの明るさの変化に応じて、自動で暗視撮影モードに切り換わる。 ▽遠隔地からスマートフォーンやパソコンで身守り。 活用例は介護施設(共用、個室)、保育所/育児施設、医療施設、遠方に住む高齢親族。 ポータブルバッテリーコーナーでは、台風や地震などの自然災害被災地の停電時に必要な、ポータブルバッテリーを実演展示した。マスプロ電工のポータブルバッテリーは、日本メーカーとして操作性と見やすさを考慮し、表示されるすべての名称を分かりやすい日本語で視認性の高い大きな文字で表示しており、よりお客様が使いやすくなっている。      ◇ メルコホールディングスグループで、監視・セキュリティ分野で多くの導入実績を有し国産ストレージメーカーであるバイオスは、長年監視・セキュリティ市場で培った「高速」「安心」「大容量」サーバー・ストレージであるバイオス監視カメラアプライアンス、外付け増設RAIDストレージを中心に、ファンレス省スペース型・静音パソコンの展示・デモ、また新しいソリューションも参考出展した。 『監視カメラアプライアンス』では、高信頼性が求められる監視カメラデータの保存に最適なバイオスの自社開発ハードウェアRAIDコントローラ搭載サーバーに監視カメラソフトウェアがプリンストールされた監視カメラアプライアンス「ArobaViewレコーダー」「KxView Recorder」などを紹介した。 『外付け増設RAIDストレージ』では、長年監視市場で培った「高速」「安心」「大容量」のバイオス外付け増設RAIDストレージ製品を紹介した。「ECLAIRPRO EP2210B3」シリーズは、録画データの長期保存に最適な大容量ラックマウント型、自社開発RAIDコントローラ搭載外付け増設ストレージ。新製品の「ER206B32」シリーズは、ラック型でも奥行き約30㌢㍍コンパクト設計、eSATA&USB3・2(Gen2x1)インタフェース搭載外付け増設ストレージ。「ECLAIRPRO Mobile EM352B31」シリーズは、HDD2台搭載、小型RAID1ミラーリング対応・可搬も可能な外付け増設RAIDストレージ。 ファンレス省スペース型・静音パソコン「EPC―WHL・EPC―SKLUシリーズ」も紹介した。医療機関・薬局向けオンライン資格確認端末のEPCシリーズ「EPC―WHL」は厚生労働省のオンライン資格確認端末にも対応。厚生労働省が定める「資格確認端末において満たすべき要件」に準拠。 ファンレスで静音設計。本体が放熱構造でファンレスを実現。ファンレスで集塵もなく定期清掃も軽減。省スペースで設置の自由度が高い。付属スタンドで縦置き設置、別売VESAマウンタでモニター背面設置も可能。 HDD/SSDそれぞれ選択可能。搭載ストレージ容量は500GB/1TB/2TBより選択可能。 デモンストレーションで『マイナンバーカードを用いたオンライン資格確認』を実施。マイナンバーカードでさらに多くの情報を自動取得できるところを見せた。    ◇ アムニモは、『現場が求める監視カメラソリューション』をテーマに、信頼性のあるシステムで遠隔監視を止めないLTE通信デバイスと、複数のカメラとデバイスを効率よく管理・運用できるクラウドアプリケーションを組み合わせた映像ソリューションを出展した。耐環境性に優れた屋外用のゲートウェイ・IoTルーターをはじめ、映像管理・デバイス死活監視等の運用性に優れたクラウド管理システムも、実機によるデモンストレーションを交え紹介した。さらに、AI解析に最適な専用プロセッサを搭載したゲートウェイも、人物・車両検知等のデモンストレーションと共に参考出展した。 出展製品(IoTデバイス)のうち、エッジゲートウェイ(屋内版)「AG10」は最大4台のカメラにPoE電源供給、カメラ停止時に自動再起動、複数SIMの高速切替で通信障害を克服する「エッジゲートウェイ」。エッジゲートウェイ(屋外版)「AG20」は屋外に設置可能、監視カメラシステムに最適化された高機能・高耐候性が特徴な監視カメラ向けゲートウェイ。IoTルーター(屋内版)「AR10」は信頼性が高く小型軽量なIoT機器からのインターネット通信を可能にする汎用性の高いLTEルーター。IoTルーター(屋外版) 「AR20」は屋外設置でPoE給電が可能。様々な産業用途で利用可能で、防水防塵、雷対策、不安定電源や通信キャリアの障害にも対応する。 「amnimo AI Edge Gateway」は参考出展。専用プロセッサにてエッジによるAI画像解析を実現する次世代型Gatewayデバイスだ。 出展サービスでは「統合ビデオ管理システム」に注目。複数の監視カメラの統一運用を実現。広域に展開する監視カメラの映像をクラウドで管理可能なシステムとなっている。 具体的には、アムニモが開発した「統合ビデオ管理システム」は、パブリッククラウド上で動作するアプリケーションであり、アムニモが提供するLTE回線対応の「エッジゲートウェイ」と連携して動作することにより、モバイル回線の通信コストの上昇を防ぎながら警備・監視業務に必要な映像を監視センターで集中管理することを可能とする。パブリッククラウド上で動作しているアプリケーションであり、「エッジゲートウェイ」との間の回線としてモバイルインターネット回線を利用することができることから、特別なネットワーク構築を行なわずに映像ソリューションを実現することが可能。広域に展開する監視カメラにて撮影された映像を監視センターから統合的に管理することが可能。常時の録画は「エッジゲートウェイ」のSSDにローカル保存され、サムネイルや何かあった時の映像だけがクラウドに送られる方式なので、モバイル回線で伝送されるデータ量が少なく、適正なコストで通信を利用することができる。外部の機械警備システム等から取り込んだアラート情報を監視カメラの映像と関連付けて、警備業務に活用することを可能とする。 デバイス管理システム(DMS)は、通信デバイスの保守運用を遠隔からクラウドで実施。初期設定から設置後の運用までの各種作業を遠隔で行える。 トーノーセキュリティ(岐阜県多治見市)がアムニモの技術協力のもと開発した、電気・通信工事が不要で、遠隔地の状況をリアルタイムに映像確認できる「燃料電池型監視カメラソリューション」も展示した。燃料電池型監視カメラソリューションは、燃料電池で安定してIPカメラに電力を供給することで、電源が確保できない環境でもライブ映像を遠隔地から確認できるソリューション。燃料電池にはメタノールを搭載し、40L版の場合、最大8か月(条件:メタノール40L版、ライブ動画を毎日30分参照、サムネイルを毎時取得)の連続稼働が可能だ。カメラはAXIS社製、VIVOTEK社製、パナソニック社製などのIPカメラと接続が可能。またLTE通信を利用したインターネット接続により、パソコンやスマホなどから河川の水位や土砂崩れ地点などの映像をリアルタイムで確認できる。    ◇ 工業会 日本万引防止システム協会(JEAS)は、ロス対策・万引対策の各社商品・サービスの紹介や個人情報保護の事例を展示した。会員パネルの展示と工業会の活動紹介ビデオなどで最新情報を紹介。万引防止・ロス対策の資料を多数展示していた。 また、工業会主催のセミナー「AIカメラの最新導入例(防犯・商業利用)&個人情報の安全対策」が、大盛況のうちに開催された。 JEASは、防犯民主主義実現の旗の下、EAS機器と防犯カメラとロス・プリベンション推進のための工業会として、「万引犯罪をさせない店舗作り」の推進を通じて、流通業界の健全な経営、また青少年の非行防止や高齢者等の孤立化防止、さらにはプライバシーへの配慮という産業的、社会的役割を果たすべく、所轄官庁はじめ関連諸団体の支援を受けながら活動している。 同会は、万引防止システムの産業的、社会的な役割を果たすために次の活動を行っている。①万引防止システムの円滑な普及、発展に資する制度・政策・計画等を建議し、実行する②行政機関、 関連団体あるいは生活者等の間での認識向上、相互の間の調整を行う③万引防止システムに関する内外の情報収集と提供を行い、業界の健全な発展と安全で豊かな国民生活に寄与することを目的とした活動を行う。    ◇ クラウド録画サービスシェアナンバーワンのセーフィーは同時開催の「リテールテックJAPAN2022」に出展した。流通・小売業界での映像データの活用による「現場DX」を紹介。クラウド録画サービスの基本機能や、AIやAPI連携を活用したサービス、「小売業界における〝現場DX〟」を成功させる導入のコツなどを紹介した。セーフィー対応カメラの実物展示の他には、「店舗」を持つ企業が抱える課題や利用シーンに合わせ、映像データの活用を体験できるデモコーナーを用意した。実際に画面を操作しながら、業務における活用イメージを掴んでほしいとしている。 POSレジ×クラウドカメラ連携「Safie POSジャーナル」は、POSレジデータとクラウド映像を連携させる①釣り銭トラブルの振り返りに②本部・遠隔地からの現場確認に③レジ金ミス・打ち間違い確認に―の3つの効果がある。レシートナンバーから映像を検索できるので、トラブルの振り返りがスムーズでスピーディー。POSジャーナルデータと映像を照らし合わせて視聴できるので、映像とPOSデータを合わせて確認でき便利。POSイベント映像はクラウド録画期間に関わらず90日間クラウド上に保存される。 カメラ×AIで混雑状況をひと目で把握する「Safie AI People Count」は、クラウドカメラ×AI解析で、店内の人数推移をグラフで表示。各時刻の混雑状況がひと目で把握できるので、スタッフ配置の最適化などで活用できる。クラウド型なので簡単・手軽に利用可能だ。時系列で人数推移を可視化でき、エリアごとにカウントができる。 クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」とは、カメラとインターネットをつなぐだけで、いつでもどこでも映像を確認できるクラウド録画サービスシェアナンバーワンのサービス。「映像から未来をつくる」というビジョンのもと、人々の意思決定に映像をお役立ていただける未来を創造し、企業から個人まで誰もが手軽に利用できる映像プラットフォームを目指している。    ◇ テクノホライゾンは、同時開催の「リテールテックJAPAN2022」に出展。主な出展商品は▽商業オフィス・無人店舗ソリューション「クラウドカメラ」「AI カメラ」▽高性能エッジ端末「顔認証システム」▽コミュニケーションDX化を促進する「ELMO Board」▽非接触接客ロボット「BellaBot」「KettyBot」。 BellaBotの特長は次の通り。 ▽PUDU SLAM システムを標準装備した高性能モデル=LiDAR、RGB―Dカメラなどの複数のセンサーと統合されたシステムを標準装備することで高精度のマッピングと周囲認識が可能。これにより複雑な環境での走行と配送を安心・安全・効率的に行うことができる。また障害物に対する反応認識精度も高く、急な障害物検知にも0・5秒で応答し安全に本体を停止させることができる▽親しみやすいデザインとコミュニケーション能力=ネコ型デザインの耳や頭の部分には最新のタッチセンサを搭載し、ロボットを撫でてあげると数十種類の表情や音声で反応してくれる。また、シーンに応じた発話をセッティングすることで、簡単な説明やアナウンスを行うことが可能だ。 KettyBotの特長は次の通り。 ▽機動性を極めたコンパクトなデザイン=KettyBotは、Pudu Robotics社のミニマリストデザインコンセプトを継承している。そのサイズと、丸みを帯びたボディは、わずか 55㌢㍍の幅も通過することができる▽使い方を広げる18・5インチディスプレイ=中央に配置された18・5インチの大型ディスプレイを使って、各種案内表示や広告表示が可能。自律走行するディスプレイは、より注目を集めるマーケティングアプローチとなる。