【空の日】ブルーイノベーション 熊田社長インタビュー
ブルーイノベーション(東京都文京区、熊田貴之社長)は、複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理・運用するためのプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」をベースに、次の4つのソリューションを開発・提供している。①点検ソリューション(プラント・工場・公共インフラなどのスマート点検、3Dモデル化など)②物流ソリューション(倉庫内在庫管理、物流など)③オフィスソリューション(監視、清掃など)④教育ソリューション(社内人材育成、JUIDAライセンス教育など)を展開している。熊田貴之 代表取締役社長 最高執行役員に企業理念や「BEP」の特長、「レベル4」への展望など話を聞いた。 ――ブルーイノベーションは、2030年ビジョンとして、強靭な社会システムを構築すべく、世界が自律分散型社会へとパラダイムシフトすることを予見して、「BEP」を自律分散型システムへと拡張し、新しい世界の社会インフラを支えるリーディングカンパニーになることを掲げました。具体的にはどういうことでしょうか 「新型コロナウイルス感染症の拡大などで、首都圏集中型のまちづくりが見直されている。一極集中で作り上げてきたものが一つの都市がダウンしてしまうと、すべてがダウンしてしまう課題が露呈している。政府などはいろいろな機能を分散化していく方針で、スーパーシティという概念で地方への分散化の動きが加速している。システムの世界でも自律分散型は大きなテーマで、GAFAのように中央集権型ですべてをクラウドで一元的に管理しようとするシステム構成から、例えばセキュリティを分散化してブロックチェーンの技術ができているようにシステムの世界では自律分散化がひとつのトレンドになっている。2030年ビジョンには、自律移動ロボットと接続された『BEP』は、自律分散型スーパーシティの基盤インフラ『都市OS』と繋がり、各種ソリューションを提供し、スマートで新しいまちづくりへの貢献、ひいては自律分散型の社会インフラを支えるロボット・システムのプラットフォーマーを目指している」 ――企業の事業課題や社会課題を解決するブルーイノベーションの技術やソリューションについて、同業他社にはない強みをお聞かせください 「私どもは技術、法律、教育の三位一体のビジネスモデルを採っている。わかりやすくいうと、産業やソリューション事業が立ち上がる要件として、この3つの要素がそれぞれ交わらないと立ち上がっていかないというのが、私どもの持論。まず技術について、ブルーイノベーションはEdgeーtoーCloudの最先端プラットフォーム技術を確立している。『BEP』は国際標準化されたサーバープラットフォームをベースとしており、独自のセンシング・アルゴリズムを有している。『BEP』は、ドローンやロボットをリモートで制御管理する技術であり、それらを統合制御するためにはセンサーによるデバイスの位置情報取得が重要。そのため当社はセンサーフュージョンの他、独自のセンサーモジュールも開発している。センサーフュージョンとは『複数のセンサー情報から,単一のセンサー情報のみでは得られない情報を抽出しようとする技術』のことで、各種センサーを組み合わせるアルゴリズム技術が強みとなっている」 「次に法律について。私どもは国や業界の『法規制・規格整備』をサポートしている。具体的には、ドローンをはじめとした無人航空機システムの民生分野における積極的な利活用を推進するとともに、安全ガイドラインの策定や提言を積極的に行っている。また、ドローン物流や空飛ぶクルマの実用化に向けISO Vertiport(垂直離着陸用飛行場)WGの委員長も務めている。先ほどの技術に付随してインフラをつくり支えるためには明確なルールが必要となる。ブレークスルーに向けて官民合わせて支えていかなければいけない」 「3つ目は教育。技術、法律が進歩しても、その中心は常に人でなければならない。技術やシステムを使いこなす人材教育や、そのための教育プログラムやライセンス開発も重要な要素だ。具体的には、日本最大のドローンコンソーシアム『一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)』の設立に参加し、日本初のドローン認定資格を発行。現在も事務局を運営している。また、日本最大の会員数を誇るドローンパイロットのプラットフォーム「SORAPASS」を立ち上げ、運営している。全国で300校以上のドローンスクールがありドローンパイロットの育成事業を行っている」(全文は9月21日号5面に掲載)
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