第104回全国高等学校野球選手権大会 各放送局の取り組み
第104回全国高等学校野球選手権大会(全国選手権大会、主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)が8月6日(土)から22日(月)の17日間、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される。3547校が参加した地方大会を勝ち抜いた49の代表校が甲子園に集結、深紅の大優勝旗を勝ち取るために炎天下の下、甲子園グラウンドで熱戦を繰り広げる。 朝日放送テレビ(ABCテレビ)およびNHKは、全国の高校野球ファンに高校野球の魅力を届けるため、地上波・BS波・動画配信サービスなど様々な伝送路を駆使し、臨場感あふれる野球中継を届ける。ここでは、各放送局の取り組みのほか、関連番組、特別番組の放送概要を紹介する。NHK大阪放送局NHKは8月6日開催される「第104回全国高等学校野球選手権大会」を開会式および閉会式を含め全試合を生中継する。放送は例年通り総合とEテレ、ラジオで行う。 新型コロナウイルス感染症への対応も考慮し、できるだけ人員を絞って効率的な番組制作および放送を目指している。カメラは合計16台で、リモートカメラなども活用し様々な角度からの映像を提供する。 今回、復活するのがアルプスレポート。甲子園球場のアルプス席でのブラスバンドやチアリーディングによる応援は大会の名物となっていた。しかし、コロナの影響から大会が中止になったり、ブラスバンドが禁止になったりしていた。今回はブラスバンドが解禁となり、応援の模様を感染対策をしっかり行った上で、全国の若手アナウンサーがレポートするもの。 昨年の大会はコロナだけでなく、天候不順の影響も強く受けた。大会初日が台風接近のため中止になったのをはじめ、合計5日間が中止となった。NHK大阪放送局 コンテンツセンター第2部(スポーツ)の内仲梨枝子チーフプロデューサーは「今年も全試合を生中継します。また、webではNHKスポーツオンラインの他、ツイッターも活用して情報発信します。コロナ禍が続く中での開催となりますが、大会が無事に開始され、終了することを強く願っています」と語った。朝日放送テレビ朝日放送テレビでは、第104回全国高校野球選手権大会を開会式から決勝戦、閉会式までBS朝日および近畿独立局の協力を得て全試合生中継する。昨年の大会から休養日は3回戦終了翌日・準々決勝翌日・準決勝翌日の3日が設定されており、8月6日(土)から開催される大会の決勝は22日(月)に予定されている。 朝日放送テレビは今年の放送にあたって「今年も新型コロナウイルスの影響による規制はいろいろ予想されていますが、アルプススタンドからの歓声も戻ってくることを願っています。当社は『熱闘甲子園』とともに“主役じぶん”という言葉をテーマに夏を盛り上げていきたいと思っています。“熱い夏”を球児はもちろん、応援する仲間、支える周りの方々全員が夏の主役であるように、今年の高校野球を描けたらと思っています」とのコメントを発表している。 ■中継テーマ「主役じぶん」 夏の高校野球「普遍のテーマ」は今年も変わらず。全力で夏に挑む球児や周りの人全員がスポットライトを浴びる大会になるよう、全力プレー、感情豊かな一瞬の表情その裏側まで「甲子園」を舞台に中継内でしっかりと表現していく。 ■特別ゲスト 大会期間中、高校野球を愛する多彩なゲストが登場する。甲子園で生の高校野球を観戦してもらい、そこで感じた熱い思いなどを語ってもらう予定。また、実況中継のゲストには、今年も全国の高校で野球部監督を務めている人をはじめ、指導者たちを放送席に迎える。なお今大会においては、2006年の第88回大会で早稲田実(西東京)のエースとして全国制覇を遂げた斎藤佑樹氏がバーチャル高校野球のフィールドディレクターに就任しており、開会式では始球式に臨むことが決まっている。 ■「燃えろ!ねったまアルプス」 各試合の5回裏終わりに、アルプススタンドから球児たちを応援する生の声を届けているのが「燃えろ!ねったまアルプス」。今年は朝日放送テレビの高校野球中継の特徴の一つとして実現する予定。応援の声を届けるためにも、グランドの球児たちを支える人々の「もうひとつの甲子園」をレポートする。また、試合と試合のインターバルでは「高校野球ショートドラマ」を放送しているが、今年も高校野球の実話を基にしたオリジナルドラマを制作する予定だという。 ◇ 《関連番組》 「熱闘甲子園」8月6日(土)スタート 朝日放送テレビとテレビ朝日の共同制作によるダイジェスト・ドキュメンタリー番組。テレビ朝日系列24局ネットで毎年、全国高校野球選手権大会期間中に放送される。 ▽放送:月~金曜/午後11時10分~11時40分、土~日曜/午後11時~11時30分)▽放送日=8月6日(土)~22日(月)▽キャスター:古田敦也、ヒロド歩美(ABCテレビアナウンサー) 今年も試合のダイジェスト映像を中心に、球児たちの全力プレーをあますところなく伝える。また、ボールがないところでの選手の動き、試合が終わった瞬間の表情など、同番組だからこそ捉えた映像を駆使し、ここでしか見ることができないVTRを届けていく。またグラウンドを離れた後の球児も取材するなど、球児と真摯に向き合っていく。 また、グランドで戦う選手だけでなく、ブラスバンドにチアリーダー、応援団に控えメンバー、そして家族など、スタンドにいる“主役”たちも取材、さまざまな立場の人々の想いを描くことで、高校野球の魅力を厚く伝える。さらに今年は、かつて甲子園に出場し、夏のヒーローとなったさまざまなゲストをキャスターとして迎える予定も。古田氏、ヒロドアナウンサー以外の目線も新たに加えて、より幅広いメッセージを視聴者に伝えていく。
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