【InterBEE報告】デル・テクノロジーズ 重要性高まるセキュリティ対応をアピール

デル・テクノロジーズは3年ぶりに「Inter BEE」にリアル出展し、業界のトレンドに対応する様々なソリューションや導入事例に加え、アクセサリーなど周辺機器も含め幅広くラインアップを紹介した。 中でも注目されたのが、アズ・ア・サービス「APEX」。サブスクリプション条件を選択し、サーバーなどのインフラハードウェアを資産として所有する必要がなく、クラウドのように使用できるものだが、最大の違いは必要なものをすべてデルが用意する点にある。“クラウドが家に来る”という表現を使っていた。クラウドのバリューをオンプレにもたらし、効果的なROIを実現するという。システム更改の必要がなく、絶えず最新のテクノロジーを利用することができるため、投資を節約しより価値の高い活動にリソースを投入できる。また、コマース、プロビジョニング、管理、サポートのための統一されたコンソールを用意している。すでに、欧米では提供を開始しているが、日本でも今年10月より提供開始した。放送・映像業界でどこまで浸透するかは未知数としているが、Inter BEEを契機に本格的に展開していくという。 今年もDell PowerScale(以下PowerScale)の販売パートナーであるテクマトリックス、ブロードバンドタワー、図研ネットウエイブが協賛しており、この3社がブース内ブースを設け、採用事例や運用方法などを紹介した。 また、例年通り同社や販売パートナーによるプレゼンコーナーも用意しており、様々なテーマでプレゼンを実施した。さらに、同コーナーにはハーフラックに搭載したPowerScaleを実際に稼働させ、稼働中にディスク障害を発生させるデモも行った。 今年の特徴としては「セキュリティ」を前面にアピールした点がある。業界としてセキュリティに対する関心が高まっているためで、PowerScale専用のセキュリティ対策ソリューションである「Superna(スパーナ)」を紹介した。システムを分離して、絶えず不審な振る舞いがないか監視し、おかしい場合は隔離して、最終的に短時間で復旧させるソリューションとなっている。 ハードウェアでは、オール フラッシュNASストレージ「Dell PowerScale  Isilon F800」を実機展示した。PowerScaleでは新モデル「P100」も紹介した。PowerScaleはスケールアウト型のNASで、ノードを追加することで性能と容量の両方をリニアに拡張することができる。一方、P100はSSDやHDDなどのストレージを搭載しないアクセラレーターノード。容量は増やさずに性能だけを向上できるため、特にPowerScaleを導入済みだが、性能だけを強化したいという場合P100導入は非常に効果的であるという。 この他、モバイルワークステーション、タワー型ワークステーション、4K/8Kモニタや14型ポータブルモニタ、スピーカフォン、AIトラッキング(追尾機能)対応Webカメラ(2K・4K)などデルの幅広いラインナップ展示した。このうち、モバイルワークステーションでは、14型を展示した。従来、モバイルワークステーションは15/17型がメインだったが、近年14型のニーズが急激に高まっている。コンパクトで高性能な機種を求める動きが強くなっているためで、“満を持して”投入したという。高性能化で重要なのがグラフィックカード(GPU)となるが、「Precision 5470」では、「NVIDIA RTX A1000」を搭載、CPUも第12世代インテルCPUを採用し、シングルスレッドの性能も向上していることから、簡単なCADであれば十分対応できる。 また、同社ならではの機能に「Dell Optimizer」がある。ユーザーの環境によりシングルスレッド、メモリ、ストレージに求められる性能は異なる。Dell Optimizerは使用される環境にPCを最適化する機能だが、使用スタイルを学習し、作業中にバックグラウンドでアプリケーション、パフォーマンス、バッテリー持続時間、プライバシーなどを自動的向上させるもの。さらに、Precision 5470はデザイン性も考慮した設計になっており、重量1・48kgと軽量化も実現している。制作に使用できる性能を持ちつつ、持ち運びも可能とした。