【InterBEE報告】シンクレイヤ 「どうする?IP放送」
シンクレイヤは「どうする?IP放送」をテーマに、ローカル局やケーブルテレビ局がIP放送を手掛ける際の具体的な手法や課題の解決法をパネルと実機で紹介した。 国内の放送サービスでは、NHKが「NHKプラス」を、地上波の民放キー5局では、テレビ放送の同時再送信サービス「TVer」ががスタートしている。ユーザーに浸透しつつあるこれらの動画配信サービスは、いわゆるIP放送と呼ばれるものだが、国内においては、制度やこれまでのビジネスモデル、そのほかにも解決しなくてはならない課題が多く、現在のテレビ放送と同等レベルに普及するまでには、まだ多くの課題や時間を要するとみられている。 シンクレイヤのブースでは、ローカル局やケーブルテレビ局がIP放送を実現する手段として、「IP放送リニア配信システム」と「IP放送バイパス配信システム」を紹介するとともに、具体的な機材として、IP放送分離装置やボックスタイプのIP―STB、Wi―Fi機能を搭載したGPON対応のONTを展示した。 「IP放送リニア配信システム」については、地上波のローカル局やプラットフォーマーに向け、ブラウザを実装したIP―STBを用いたコンテンツ配信の仕組みとともに、放送事業者およびプラットフォーマーが自作したアプリをIP―STBにインストールすることで実現する複合サービスの付加価値の優位性を提案した。また、「IP放送バイパス配信システム」については、フリーズや遅滞の少ない安定的なIP放送を実現するために、その他の通信サービスとは分離し、占用の帯域を確保する光の波長多重を用いたバイパス配信システムを紹介した。 InterBEEには、久しぶりの出展となった同社。担当者は「昨今、放送の世界にも通信を使ったサービスが盛んになってきている。ローカル局様やケーブルテレビ局様に対して、我々が提案するIP放送のソリューションを活用していただければ、独自の新たなサービスの創出が可能となることを知っていただければと思っている」と話していた。
この記事を書いた記者
最新の投稿
- 実録・戦後放送史2024.09.02連載にあたって
- 筆心2024.09.022024年8月26日(第7712号)
- 放送ルネサンス2024.09.02放送100年特別企画 「放送ルネサンス」第1回
- 放送2023.09.01ビデオリサーチ 災害情報入手経路の7割が地上波民放テレビ