【InterBEE報告】伊藤忠ケーブルシステム 配信に必要な機能を一括で提供
伊藤忠ケーブルシステムは「Inter BEE 2022」に出展し、放送映像制、作およびOTT (動画配信) & SRT映像伝送ソリューション、IPプロダクションのランナップを紹介した。 注目されたのは、今年9月に新に契約したフランス・Ateme社の「OTTエコシステム」。今まで動画配信を行うには、十数社のサービスを伊藤忠ケーブルがまとめて提供する形だった。Atemeは1社で端から端までサービスを有しているのが特徴で、オンプレミスのエンコーダも含めCDNまでサービスを提供する。さらにパイロットマネージャーという一括管理・一括監視するソフトウェアが大きなポイントとなる。同機能を持つサードパーティー製のソフトはあるが、様々な企業の製品が入り混じっているので、問題が発生したときの問題の切り分やサポート、復旧までのスピードなどこれまでの課題を解消する。また、製品ごとの導入も可能なため、例えば、エンコーダであればエンコーダのみ、CDNインフラのみといったコンポーネントごとに導入できる。Atemeは欧米を中心に全世界に展開しており、世界20カ国にサービス拠点を設置、アジアでは日本にはまだないが、シンガポールにアジア拠点を置いている。伊藤忠ケーブルが日本での協業パートナーの第一号となっている。 KVMではドイツ・IHSE社の製品を展示した。IHSE社のKVMは高機能と高品質により、放送局だけでなく、各種公共機関・団体、さらに軍隊にも使用されている。また、設定が容易なことや、インターフェースが豊富なことも特徴となっている。「Draco Tera Enterprise 480シリーズ」は、最大576ポートから48ポートまでの5種類のシャーシに8ポート単位のモジュールを自由に構成できるKVMスイッチ。切替時のタイムラグのないインスタントスイッチや、ポートのマトリックスを自由に設定できるフレックスポートなどのユニークな機能を備え、冗長化電源も装備。各エクステンダーは接続されると自動で認識され、煩わしい事前のIPアドレス設定作業などは不要。同一シャーシに3G/HD/SD―SDIのマトリックスも混在可能で、モジュールはCATx、ファイバー、COAX(3G/HD―SDI用)から選択できる。全てのモジュールはホットスワップに対応し、万が一のトラブル発生時においても、システム全体のダウンは不要。 この他、IPモデル「Kvm tec」のエクステンダー「Max Flex」を国内初展示した。Kvm tecはアナログオーディオやRS232の伝送が可能で、VGA入力にも対応(オプション)している。デュアルスクリーン機能で、1台のコンソールで2台のPC操作が可能。
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