【コールセンター特集】KDDIエボルバ 映像と音声で解決するコンタクトセンター
KDDIエボルバ(東京都新宿区、若槻肇社長)は、次世代のビジュアルカスタマーアシスタンス・ツール「TechSee」で販売代理店契約を締結しているテリロジー(東京都千代田区、阿部昭彦社長)との連携による、映像を活用した新たなコンタクトセンター『映像サポートサービス』の提供を始めた。『映像サポートサービス』は、「TechSee」がもつWeb―RTC(ウェブ・リアルタイム・コミュニケーション、ウェブブラウザやモバイルアプリケーションにAPI経由でリアルタイム通信を実現する仕組み)利用による映像サポートと、国内大手企業のコンタクトセンター構築・運営、改善のノウハウ・実績をもつKDDIエボルバのオペレーションを組合せたコンタクトセンターサービス。利用者は、スマートフォン等で撮影した映像をオペレータと通話しながらリアルタイムに共有することで、問合せしたい内容を視覚情報で簡単にオペレータに伝えることができる。また、映像を活用したオペレーションが利用者の直感的な理解につながる。これにより、従来の電話やチャットでは解決しきれなかった複雑な問合せや、技術者派遣が必要な修理等の対応の一次解決率を高め、ロイヤリティとCX向上、企業の生産性向上を実現する。KDDIエボルバの法人事業本部中部・関西・四国本部グループリーダー古曳徳恵さん に『映像サポートサービス』の特長などを聞いた。 テリロジーとKDDIエボルバの連携による『映像サポートサービス』は、既に国内企業のテクニカルサポートセンター(コールセンター)への導入、オペレーション設計・運営の実績がある。 『映像サポートサービス』の主な流れは①利用者が電話でコンタクトセンターに連絡する。オペレータが用件の把握を行い、「映像利用が有効」と判定した場合に利用者のスマートフォンにご案内・SMS(ショートメッセージサービス)を送信する②利用者はSMSに届くURLをタップすると利用者のスマホのカメラが起動する③利用者が撮影している映像を通話しながらオペレータがリアルタイムで確認する。カメラの映像はオペレータのパソコン上でも表示される。 アプリをインストールすることがない。SMSで〝つなぐ〟ためのURLを送信するのがポイントだ。電話を切らずに〝つながる〟利便性がある。 「TechSee」により利用者画面と静止画、動画を共有。オペレータ画面ではAR技術を活用したマーキングや描き込みで、直感的な解決に導くサポートが行える。「TechSee」は、イスラエルの企業「TechSee Augmented Vision」が開発、提供する次世代のビジュアルカスタマーアシスタンス・ツール。KDDIエボルバの『映像サポートサービス』では、ウェブブラウザ経由での通信を採用している。 古曳さんは『映像サポートサービス』の特長を次のように述べた。 「『映像サポートサービス』は、お客さまの機器で設定・設置・修理が発生するサービスや、インターネットサービス、家電・住宅製品等の事業者、事故・物損状況の確認が必要な保険事業者等の訪問サポートをリモート化します。お客様は、オペレータが送信するSMSのURLをタップするだけで利用できます。また、『映像サポートサービス』は、映像の保存はせず、撮影された写真のみをオペレータが確認する機能を有しており、プライバシーに配慮した運用が可能なため安心して利用できます」と話した。 『映像サポートサービス』の発売経緯について次のように述べた。「現在、Web―RTC技術が成熟した段階にありますので、コンタクトセンターサービスとして音声だけでなく映像チャネルも追加した形でお客様のサポートを行っていきたいとの考えで始めました。クライアント側の映像サポートへの関心は非常に高く、問い合わせや引き合いが増えています。従来は、ウェブサイトにアクセスしてその後、フリーダイヤルの番号が書いてあるから何かを解決するためにそこに電話をする形でした。お客様にとって電話音声だけでは解決しない部分で映像を追加してお手伝いするのがこのサービスです。オペレーション側にとっても映像を確認しながらサポートできるので非常に有効なサービスとなっています」と話した。 また、「TechSee」について古曳さんは「例えば、お客様のご自宅で通信サービスの機器の設定だったり修理が必要かどうか判断するケースがあったとします。電話の応答など口頭だけの説明では、お客様はその分野では素人ですので、コミュニケーターとの齟齬が生まれる、なかなか状況の把握がしにくいといった場面が頻繁に発生します。スマートフォンでその用件の映像を撮っていただくことで、お客様の宅内で何が起きているのか目視できます。状況を即座に把握して、その過程を電話をつないだまま解決に導くことができます。このシステムではお客様側からもAR技術でマーキングすることが可能です。例えば、配線が難しいといった問題も映像を見ながらマーキングして、ここにLANケーブルを挿すなどお示しすると、ご高齢の方でもすぐに理解されます」と話す。(全文は10月21日付5面に掲載)
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